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担当した結婚披露宴の中で印象的だった新郎のご挨拶

私は以前ブライダルプランナーとして働いていました。
当時私が勤めていた会場では、会場の見学に来たカップルの接客から結婚披露宴の当日までを一貫して担当することになっていました。
ですから担当する結婚披露宴が、日に数件重なってしまうこともありました。
そうなると体はとてもキツイですが、担当が変わらないことで新郎新婦と担当者との信頼関係も築く事が出来、担当者としても情熱をかたむけて集中して結婚披露宴当日を迎える事ができるので、とてもやり甲斐を感じていました。
新郎新婦にとっては一生にたった一度しか出来ないことで、失敗は許されない仕事です。
それは「不良品だったら返品出来る商品ではない」という緊張感に満ち満ちていて、毎週末の結婚披露宴当日を完全燃焼で迎えることを求められる仕事でもありました。
担当した結婚披露宴の全てを見守ることは、私の体がひとつしかない以上、どうしても叶わぬ事でしたが、新郎が招待客の皆様に向けてご挨拶する「新郎謝辞」だけは、全てを見守ってきました。
それは、新郎新婦のおふたりが、これまで準備してきたこと全てがつまっている気がしていました。
新郎新婦が挨拶される姿を見ることで、私は方向性を間違っていなかったのかを確認する事が出来、これで良かったのだと達成感を感じ、いつも涙をこらえていた気がします。
この瞬間のために、ずっと頑張って仕事してきたのだと、いつも思っていました。
結婚披露宴がお開きになり、新郎新婦がお客様を見送られた後に続いて、両家のご両親と新郎新婦にご挨拶に行きますが、その時に「あなたに担当してもらって本当に良かった」とおっしゃっていただけると、それはボーナスをもらった時より嬉しいほどでした。


担当した皆さんの挨拶を未だに覚えていますが、その中でもとびきり印象的だった新郎謝辞があります。
新郎さんは次期住職として日々お寺を守っておられる方で、ゆっくりとご結婚をお決めになったようでした。
新婦さんとは少しお年が離れていたので、新婦さんはちょうど結婚適齢期と言えるお年頃。打ち合わせの時は、そんな夢をいっぱい溢れさせていた新婦さんをいたわり大事に思う気持ちがこちらに漏れ伝わってくるほどでした。
そんな暖かいおふたりの結婚披露宴には、たくさんのご住職たちがかけつけ、なごやかで伝統的な雰囲気のものとなりました。
最後は新郎からの謝辞です。
「今日来ていただいた皆様には、これまでずっとご心配をおかけして、長年ずっとたくさんお声もかけていただきましたが、おかげさまでこんなに可愛いお嫁さんをもらうことが出来ました。早く早くと言われ続けてきましたが、ゆっくり探して本当に良かったです。」これには新婦さんを含め、もう会場にいる全員が笑ってしまったのではなかったでしょうか。
たしか唯一人、新郎のお父様だけが笑いながらも頭を抱えてらっしゃったような気もしますが。
こうやって、新婦さんはずっと大事にされ続けるのだと思うと感動して涙が出そうでした。
お開きになって、ご挨拶をさせていただいた時、「お寺に嫁ぐからと夢を諦めかけていたのに、色々提案していただいて、やりたいことが全部出来ました。本当にありがとうございました。」とのお言葉をいただきました。
これはもう脳内麻薬みたいなもので、疲れもストレスも何もかも吹っ飛んでしまう魔法の言葉のようでした。
実はこの新婦さん、バージンロードをお父様と歩くという夢がおありだったのですが、お寺に嫁ぐということは仏前式で自動的に決定してしまうという事ですから、それは自動的に諦めてしまっておられました。
そこを、打ち合わせでもらされたことがあったので、披露宴の中で演出として、白ドレスでお父様と歩いていただき、新郎様へ繋がれたのです。
業界的には決して目新しい演出ではありませんが、この新婦さんには大変喜んでいただけたようでした。
責任が重く、大変な仕事でしたが、こういう一言がいただけたから続けてこられたのだと思います。
今まで担当させていただいた全ての新郎新婦の皆様に、こちらから謝辞を述べたいほどなのです。
こちらに結婚披露宴のスピーチのコツと文例集というものがかいてあるサイトがありますので、
いつスピーチを任されても大丈夫なように是非ご覧ください。

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